手すり先行システム足場「ミレニューム」とは|特徴と模型で学ぶ方法

手すり先行システム足場「ミレニューム」とは|特徴と模型で学ぶ方法

アサヒ産業株式会社の「ミレニューム」は、足場の組立時に手すりを先行して設置するシステム足場です。枠組足場の強度と、くさび緊結式足場の利便性を兼ね備えることを目指して開発されました。今回は、ミレニュームの基本的な仕組みや特徴、採用事例と、模型を使って構造を学ぶ方法をご紹介します。

自動車部品の製造から始まったアサヒ産業

アサヒ産業株式会社は、1953年創業の仮設機材メーカーです。大阪府枚方市に本社を置き、次世代型先行手すり工法のシステム足場・支保工「ミレニューム」をはじめ、建設現場で使用する仮設機材を開発しています。

同社のものづくりは、自動車部品の製造から始まりました。そこで培った金属加工の技術を仮設機材の開発へ応用し、現場の声や課題を製品として形にしてきました。

アサヒ産業が掲げているのが、「0から1を生み出す」という姿勢です。既存の製品を作るだけでなく、建設現場で求められる安全性、作業性、運搬性などを考えながら、新しい仮設機材の開発に取り組んでいます。

2000年に登場したシステム足場

ミレニュームは、2000年に登場した先行手すり工法のシステム足場です。

従来、足場には枠組足場と、さまざまな形状へ対応しやすいくさび緊結式足場などがありました。ミレニュームは、枠組足場の強度と、くさび緊結式足場の利便性を兼ね備えた「第3の足場」として開発されています。

高層建築用の足場だけでなく、建物や構造物を施工する際に荷重を支える支保工にも使用できるよう、専用部材を組み合わせて構成します。

手すりを先に設置して転落リスクの低減に配慮

ミレニュームの大きな特徴は、上の作業床へ移る前に、先行手すり筋交いを取り付ける仕組みです。

組立時には下の作業床から上層の手すりを設置し、解体時には手すりが残っている状態で作業床などを取り外します。作業する位置に手すりを設けた状態で組立・解体を進めることで、足場設置時の転落事故を抑制することにつながっています。

手すり先行工法は、現在では足場の安全対策を考えるうえで広く知られる考え方となりました。ミレニュームは、この考え方を早い段階から製品の基本構造に取り入れたシステム足場です。

先行手すり筋交いには、手すりとしての役割だけでなく、足場の剛性や水平を保つ筋交いとしての役割もあります。複数の機能を持つ部材を組み合わせて、足場全体を構成しています。

ただし、安全性は製品だけで決まるものではありません。実際の組立・解体・使用にあたっては、現場ごとの設計や強度計算、メーカーの最新資料、関係法令に基づいて専門家が判断する必要があります。

騒音と運搬性に配慮した設計

ミレニュームの先行手すりは、ハンマーを使わずに取り付けられる構造です。金属部材をハンマーで打ち込む作業を減らせるため、組立・解体時に発生する打撃音の軽減につながります。

住宅地や施設周辺など、工事中の騒音への配慮が求められる現場では、こうした部材構造も重要な要素になります。

また、ミレニュームの部材は、結束してまとめやすい形状を考慮して設計されています。アサヒ産業の公式情報では、枠組足場と比較して積載効率が約40%向上すると案内されています。

部材を効率よく積載できるため、車両による運搬や資材置き場での管理がしやすくなります。実際の積載量や運搬効率は、使用する部材、車両、積載方法などによって異なるため、具体的な計画ではメーカーの最新資料をご確認ください。

熊本城や関西国際空港での採用実績

ミレニュームは、熊本城天守閣の復旧工事や関西国際空港の改修工事などでも採用されています。

歴史的建造物や空港施設のように、施工条件や周辺環境への配慮が求められる現場でも使用されてきました。アサヒ産業のカタログでは、こうした採用事例や、ミレニュームを使用した工法が紹介されています。

写真は、東京ビッグサイトで開催された展示会で、ミレニュームや関連する工法が紹介された際の様子です。組み上げた状態や部材の形状を直接見ることで、図面やカタログだけでは把握しにくい構造を具体的に確認できます。

1/10教育モデルで構造を確認する

建設模型.comでは、ミレニュームの構造を縮小して再現した1/10教育モデルを取り扱っています。

1/10教育モデルは、アサヒ産業の実物製品をもとにした学習用の模型です。部材を組み立てながら、支柱、布材、先行手すり筋交いなどの位置関係を立体的に確認できます。

実物の足場を用意することが難しい会議室や研修室でも使用できるため、新人研修、安全教育、施工前の構造説明などへの活用が考えられます。

なお、1/10教育モデルは構造を学ぶための模型であり、実際の足場として使用する製品ではありません。模型による確認だけで施工を判断せず、実際の設計・施工では専門家の判断と最新の公式資料をご確認ください。

まとめ

ミレニュームは、手すりを先行して設置する仕組みを取り入れ、足場の組立・解体時における転落リスクの低減を図ったシステム足場です。ハンマーレスで取り付けられる先行手すりや、結束・積載しやすい部材構成など、騒音と運搬性にも配慮されています。

1/10教育モデルを活用すると、実物では確認しにくい部材の位置関係や組立手順を、机上で立体的に確認できます。研修や施工説明で使用する模型をお探しの方は、「1/10教育モデル」ページをご覧ください。

商品選び・追加部材・展示モデルについて

お気軽にお問い合わせください。

商品について相談する